ウクレレ広場

光明幼稚園を会場に開催しているウクレレ広場のブログです

単板と合板

単板と合板について、少し調べてみました。

 単板は、一重の板、材木を薄く切り出し、更に削って厚みを調整したもので、材そのものの特徴を持った響きをしています。solidと表記されることもあります。

 一枚板なので割れやすく、強度を持たせるためにやや厚めの板を使うことが多いようです。実際にPONOのウクレレをホールの床に落として割ってしまいました・・・。厚めの板を使用したものは、良い音、大きな音で「鳴る」ようになるまでは、かなり弾き込まなければ鳴らないものもあります。カマカは厚め材を使っていてなかなか鳴るようにならないとか、コアロハは薄い材が使われていて音が大きいが割れやすいとか言われています。言われていますが、僕のカマカは良く鳴りますし、僕のコアロハはまだ壊れてません……。知っておいた方が良いけれど、それが故に避けてしまう必要は無いと思います。

 

 合板は、薄くスライスした板を合わせて接着したものです。要するにホームセンター等で売っているベニア板、コンパネ、型枠用合板などと同じ構造です。ウクレレに使用されるのは3枚を張り合わせた3層構造のものが多いそうです。繊維を互い違いに接着しているので、単板に比べて薄くても割れにくく強度が高いです。レイヤードとかラミネートとも呼ばれます。

 また、楽器用の合板を作る専門の工場があるそうで、そこへ、どんな材を何ミリでスライスして、どの順番でどんな接着剤でくっつけるかオーダーして作ってもらっているのだそう。

 今まで僕はこの貼り合わせる3枚の材は同じ材のものを張り合わせていると思っていたのですが、そんなことをしているのはFamousくらいで、ほとんどは表面の材とは違う「何かの材」が挟まっているのだそう……。初めて知りました……。要するに化粧合板じゃん!それじゃあハワイアンコアだとかマホガニーだとかいっても見た目だけで、本当は間に挟まっている「何かの材」の音がしているってことですよね。実際に表面に使われている板は非常に薄いものが使われていることが多いそうで、ビルダーさんが表面を成形する時に削りすぎて地が出ちゃうことなんかがあるくらいなんだそうです・・・。そう、「地」なんですよ。書いていて気が付きました。「地」なんです。表面材の「化粧」の音ではなく、「地」の「何かの材」がメインのキャラクターの音を作っているのでは、僕らが聞いている音は。下手をすると、接着剤の音がそのキャラクターの要因だったりして?まぁそんなことは無いと思いますが、接着剤も音に影響を与えているのは間違いないと思います。

 でも逆に言えば貼り合わせる材の種類や部材の厚さ、貼り合わせる方法などにより、意図的に音に変化を持たせることも出来るのかもしれません。芯がマホガニーで表面がハワイアンコアだったら、両方の良さを兼ね備えた音になったりして?もしそうだったら面白そうですね!そこまでこだわったっていたら、これは「ブレンド」と言ってもよいのでは?マーティンなんかは、高圧で圧縮して作る「ハイプレッシャーラミネート」という材を使ってますね。残念ながら音を生で聴いたことはないのですが。合板の技術がさらに進んだら、単板を超えるすばらしい音色を奏でる、安価で取り扱いの容易な画期的なウクレレが出るかもしれませんね。「ブレンディッドレイヤード」なんていいじゃないですか!誰か作りません?

 

 合板レレは丈夫なので扱いが楽です。硬い床でなければ机から落としてしまっても何ともなかったり・・・。無造作に置いて気軽に触れるウクレレとして、また屋外など、どこへでも持ち出せるウクレレとしても、合板のウクレレはもってこいだと思いますし、合板だからダメとしてしまう必要は全くないと思います。

 

要するに、それぞれの特徴を知っておくということですよね。

 

 最初の一本こそ大事!良いものをきちんと選びなさい。そう仰る諸先輩方はたくさんいらっしゃいますし、その理由も分かります。弾けるようになるためのモチベーションを維持するために、良い楽器を持つことは重要だと。

 でも僕としては、とにかく何でもいいからご縁のあったウクレレを手に取って弾いてみることをお勧めしてきました。ウクレレって構えなくてよい楽器だと思うんですよ。気楽な・・・。あちこちに置いておいて気が向いたらすっと持てるような。ピアノのように楽器の前に行かなければならないものではなく、ごついケースを開けなければならないわけでもなく、ケーブルをつないでアンプのスイッチを入れなければならないわけでもなく、本当にすっと取ってポロンと弾く。そんな気楽な楽器がウクレレだと思っています。楽器にチャレンジする!なんて気構えなく、気楽に始めて気が付いたらハマっていた!で良いのだと思います。ですから最初のハードルはなるべく下げたい。そう思いながら自分で買って試してきました。今回安価なものでもトップ板単板というウクレレと出会い、こんな選択もあるのだなぁと思った次第です。

 広場で弾き比べてみてください!

次回は10月20日(日曜日)13時から16時です!