ウクレレ広場

光明幼稚園を会場に開催しているウクレレ広場のブログです

続 安レレのススメ・・・ ~初めてのウクレレ~

 以前、「安価なウクレレはダメ?」という題でブログを書いたのは去年の6月でした。あれから半年以上経ちましたが、やっぱりネットには1万円以下のウクレレは玩具・・・という記事が多いですね。理由としてはやはり「チューニングがすぐに狂う」としている記事が多いように思います。もちろんそれだけではありませんが。そんな記事を見るたびに、自分の考えは間違えだったのか?と思ってしまって。でもうちの安レレ君たちはちゃんと楽器としてのウクレレだと思うのです。玩具みたいな値段でも。

ただ、この件について思うのは、初めてウクレレを買った人が、それも、ギターやベース等の弦楽器の経験がない人が初めて新しいウクレレを買ったら、一度調律したらそうそうチューニングは狂わないもの・・・。という風に思っているのではないかと思うんです。

 で、習い始めたウクレレの先生に、すぐチューニングが狂うんです!と言った時に、その先生から「安いウクレレはしかたない、良いものを買ってください」と言われたとしても、なかなかすぐには新しいウクレレ買えません。一念発起して「良い」ウクレレを買った時には、ある程度の経験があってウクレレの取り扱いに慣れてきているから、チューニングが楽にできるようになっている?かもしれないし、ウクレレの先生は、初期の弦の伸びを取ってから出荷してくれる楽器屋さんを紹介した?かもしれないし、伸びの少ない弦を張っているモデルを選んで紹介している?かもしれないし・・・。

 買ったばかりや、弦を交換したばかりでは、すぐにチューニング狂いますよね。ウク壁のウクレレたちは弦を緩めたりしないでそのままにしています。ほんとは、もっと触ってあげなきゃですよね。そろそろ弦の交換もしてあげなきゃ・・・。でも最低限月に一回の広場の折に全部のウクレレのチューニングをしていますが、弦が落ち着いている(伸びきっている)ウクレレは、1ヶ月そのままでも、そんなにピッチが落ちていません。気にしなければそのまま弾いてしまえる?(それはないか・・・)くらいです。1,980円のやつでもそうです。もちろん、チューニングは必要ですが、チューニングが狂ってしまうという感覚は高額ウクレレと比較しても変わらないと思います。僕の一張羅ウクレレはチューニングを1音くらい下げてからケースに仕舞っているのですが、改めて使う時にケースから出してチューニングしても、張りっぱなしにしていた時と比べて、すぐにピッチが落ちてきてしまいます。しばらく安定しません。一度緩めてしまうと、なかなかチューニングが安定しないんです。金額の問題ではないように思うのです。ウクレレってそういう楽器なんだと。

 

 保管する時に弦を緩める・緩めないという問題も人によって様々なので、それはまた別の機会にするとして、なんか弦の特性のような気がするんですよね・・・。確かに、1,980円のウクレレに1,980円以上の弦が張ってあるはずはないので、安い弦が張ってあるのは事実でしょう。でも、だからといって玩具だから選ばないようにと、まとめて切り捨てる必要も無いように思います。

 

 以前、静岡にある河合楽器のピアノ工場を見学したことがあります。ピアノは工場での製造過程で、一度弦を張ったら、機械でひたすら弦を叩き(コンサートグランドピアノとかはピアニストが実際に弾くそうです)、調律して、何日か寝かして、またひたすら弦を叩き調律して寝かせて・・・を繰り返して弦を落ち着かせてから出荷するのだそうです。ウクレレ工場はまだ見学したことがないのですが、ひょっとすると、安価なものと高価なものでは、そのあたりの工程の手間ひまが違うかもしれませんね。

 

 広場でおなじみのさくらさんと一緒にウクレレ音楽院を運営しているいわさ先生は、第1回のウクレレ音楽院で「今は昔ほど変なウクレレは無い」と仰っていて、初めてのウクレレをどう選ぶか?という事に対して「自分が趣味にどのくらいお金をかけることができるかの予算を先に決めて、その範囲で良いと思ったものを買えばよい」とおっしゃってました。要するに、昔は形だけでひどいものが出回っていたということでしょう。だから安いものは買うなと言われていた。でも最近は安くても昔ほど悪いものはない・・・。ということで、安いものでも玩具ではなく、ちゃんと楽器のウクレレとして扱えるものが多いと考えて良いのではないか・・・。最初にウクレレを始めるにあたって、安いウクレレを買った人がウクレレ教室に通い始め、なかなかチューニングがうまくいかないと相談することが多くて、「安いウクレレはチューニングが狂う」説が一般化しているのではないかという仮説を立てています。

 

 チューニングをするときに、値段の差が出るもののひとつとして、ペグの精度があると思います。見た目が同じようにみえるギヤペグでも、値段の差はスムーズな動きとして表れるものもあるようです。これも、以前のブログで企画しましたが、KIWAYAのKSU-1とFamousのFS-1Gの比較で、びっくりするほどFS-1Gのペグはなめらかでした。見た目はほとんど変わらないのに。値段は倍違います。各部が少しずつFS-1Gが良く出来ている。そんな感じでした。でも、KSU-1がダメな訳は全然なくて、コストパフォーマンスは高いと思いました。値段を含めて積極的に選ぶ意味は有ると思います。ただ、FS-1Gの方が、所有欲を満たすというか、モチベーションは上がる気はします。

 デリケートすぎて僕にはチューニングすらできないフリクションペグは別としても、チューニングしやすいと云われているギヤペグでも、スロッテッドヘッドというヘッドの形状のものがありますが、一般的なヘッド形状のウクレレよりも弦に角度が付くためか、チューニング時にちょっと弦を緩めようと思った時にスムーズに緩まないことがあって、大きく緩めてゆっくり張っていくを繰り返さなければならないことがあります。きっとチューニングにコツがあるんでしょうね・・・。ちょっとまだその域には達していなくて・・・。スロッテッドヘッドは少しだけチューニングが厄介に思うことがあります。少しだけです!格好はいいですけどね。

 

 僕としては、気軽に始めてほしいので、安レレ大いに賛成です。ただ、何故そのウクレレが良かったのかは、音がいいとか、色が素敵とか、木目が綺麗とか、見た目がかわいいとか、形が他にないとか、手に持つとしっくりくるとか、何かひとつ、何故これがいいと思ったのか、はっきりしたものがあったら、きっと長い付き合いになると感じました!

是非一緒に楽しみましょう!